先日、講演会「生き方上手への道~高齢期の自立的な暮らしを考える~」に参加しました。講師は石川由紀さん。会社経営の傍ら「単身けん」(ひとりで生きるために、単身者の生活権を検証する会)を発足させて、26年もの間、会員の様々な困り事とその解決に関わってきた方。石川さんのお話から、これから役に立つかもしれない事をお伝えしようと思います。

 

石川さんによると「老いの自立」とは、「幼い時代の自立とは、できないことを一つずつできるように学習すること。老いの自立とは、できなくなっていくことを一つずつ他者に委ねる支度をすること」。具体的には、自分が困っている事を細かく分けて、できるだけ多くの人にそれぞれ支援してもらうようにお願いすること、だそうです。「気楽に頼み、気楽に助けてもらう」ことがコツだとか。

 

身近な例として、高齢単身女性がカーテンの洗濯をするために、高い所にあるカーテンを外す作業をウォーキング仲間の男性に頼んだそうです。ここでのポイントは1名でなく3名に頼んだこと。3名同時に来ることで一緒に話す時間ができ、3名のつながりが深まったとか。今ではビールと枝豆持参で、季節の変わり目ごとに集まり、楽しい時間を過ごしているそうです。「なるほど~、そんなことでいいんだ~」という感じですね。

 

やってもらうばかりでなく自分から動くことも大事です。今や、単身高齢者の安否確認サービスは充実していますが、多くは「見守ってあげる」という形。訪問・電話したり、IT系機器で動きを感知したりする方法です。石川さんお薦めの安否確認は「本人から連絡すること」。「今日も私は元気です」「今日、○○に行ってきました」など、高齢者自ら、電話なりメールなりを毎日決まったところにすればいいのです。これは目からウロコの方法ですね。

 

サービス付き高齢者専用施設に入った単身女性が、すぐ出てきてしまった例もありました。理由は、食事をしない時は事前に連絡しなければならないとか、その他細かいルールに縛られる生活が嫌になったとか。確かに、一人暮らしが長いとマイペースになっているので、細かいルールはしんどいと思います。これは入居してみないとわからない事ですが、すぐに退居しても支払ったお金の半分が戻らないこともあるそう。入居前に、施設の方針や雰囲気が自分に合っているかどうか、よくよく検討した方がよさそうですね。